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全ては 無かった事に

妻が破産をした



実際には それ程切羽詰まった話でも無く

計画的に進んだ破産だ




もともと負債を抱えた理由が

妻の前夫が購入した 自宅用のマンションの連帯保証人になった事で負ったものだった


前夫との 離婚の時

連帯保証人から妻を外すように 念書をとっていたが


実行されず


前夫自身が破産したのをきっかけに

妻が負債を負った




ここまでは
当時も解りきっていた事だったので

事前に法律相談を受けて対策を練っていた

相談した内容は


再婚後 僕の資産に彼女の負債が影響を及ばさない事と
彼女の引越先を 債権者に伝えるかどうか
だった


前者は全く問題なし

後者は
払う気が無いなら 様子を見た方が良いと言われ

その通りにした



その後マンション自体は 競売に掛けられ
前夫の破産が成立



約700万円の負債が残った



僕らは
次の手を考えてつつ 5年後の時効成立を待つ事にした




そして債権は
数回の譲渡を繰り返して
とあるサービサー会社に行き着く
それから暫くして
後1年程で 時効になる頃

簡易裁判所から封書が来た


中身は
「支払い督促」


時効を待つ間に 延滞金が付き
当時の即時決済額は約850万円

その内の140万円について 払えと訴えられたのだ



当然 反論は出来ず

支払い義務が確定した


ただ面白かったのが

裁判官が事情を鑑みて
原告側に 訴えの取り下げを提案した事だった


後日 裁判所から来た判決文には
140万円の支払いが決定した事だけが書かれ

差押えなどの仮処分の決定はなかった



もともと
こういった事も織り込んで

妻には一切財産を持たせなかったので

差押えたくても 差押えられなかっただろう



しかしこれで
時効を待つ方法は 難しくなった


訴えを起こされ 時効が10年後になってしまった

妻の両親は高齢で

10年以内に相続か発生すれば 持って行かれてしまう



それは避けたい




そして 弁護士に依頼して
妻の破産が成立

免責も獲得した

楽しみは疾走

あれは
僕がバイクに乗り始めて1年位経ち

何度か走行会に参加して 「走る」事に慣れ始めた時だった



いつもの様に 近所の峠へ行った帰り

前方を走る一台のバイクに追いついた



SS系のバイク


ひらり ひらりと

連続するコーナーをクリアする姿が 綺麗で

後ろから見ていて飽きない



巧いなぁ



そう思いながら

しばらく追走していた




腰をズラす

スッと 制動



バイクが 曲がる方向に傾き始めると

ブレーキランプが消える




バンク角が一気に増えて

コーナーに吸い込まれて行く



パタンと寝た車体が 起き上がり始めると


スルスルと車間が開く

離される無い様に
大きくスロットルを開け


また 次のコーナーに備えて

腰をズラして 制動




この繰り返し




何度も通い
慣れた道


先の様子が判るので

ただ 楽しい




しかし


そこに落とし穴があった



下りの 回り込んだ左コーナーに入った時



下りコーナーが苦手な僕は

減速し過ぎて リズムが狂った



積極的にバイクを動かせず

ただ コーナーをやり過ごす



立ち上がりで 相手との距離が 離れたのを埋めたくて

必要以上に アクセルを開けた


次の右コーナーが迫り

相手が ポンという感じの 軽いブレーキで進入していく




追いつきたい




その一瞬の欲に負けた



軽く右に腰をズラして
ブレーキを掛けたが

速度が乗りすぎていた



バイクを傾けられず

あっという間に コーナーの外側にあるガードレールが近づく


その外側には
山側から流れる水の排水溝と 濡れた崖



脳裏に フロントタイヤが ガードレールに刺さり

車体の前方に投げ出される 自分の姿が浮かぶ



背中から 崖に当たり

そのまま 排水溝に落ちて行く






それだけは 嫌だ





次の瞬間


僕はバイクを捨てて

右前方の道めがけて 飛び込んだ




四つん這いの状態で 道の上



前を走っていた相手が 次のコーナーに消えていくのが見えた





ガードレールの下の隙間に挟まったバイクを 引きずり出し

路肩の空き地に止めて


損傷を確認する



ガードレールの支柱に当たったフロントフォークが曲がり

ネック部分のペイントが割れて
フレームが逝った事が判る



バイクの損害のわりに


僕自身の怪我は無く

多少の打ち身だけ




ただ 恐ろしく感じたのは


全くぶつけた感触の無いヘルメットの

額の部分に 何か尖った物が当たった様な
4センチ位のキズがあった事だった
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