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アキレスと亀

話題:最近観た映画

北野武監督作品は 割と好きな方だけれど
ここ10年ほどの作品は あまり観ていなかった
ところが数ヶ月前から日本映画専門chで特集され やっと観る機会を得た


公開当時の寸評は
夫婦愛がどうたら とか
芸術に対しての北野監督のこだわりが などなど



どれも当てはまらない様に感じた



この作品

「死」の側から「生」を眺め 生きる事に執着したとある画家志望の男の物語だ


芸術家を主人公にしたのは 解りやすいからじゃないだろうか

きっと職業は 何でも良いのだ



生きる事は滑稽だ



皆 平穏に生きていると思っても
その生活様式をして居ない人から見たら 滑稽な事ばかりをしている


解りやすい例で言えば

働かなくて済む人生を送っている人から見たら
毎日決まって会社に行き あくせく働く姿は滑稽だろう

そもそも それで「滑稽だ」と言える人は「働く」と言う概念は無さそうだから 人々が毎日楽しく遊ぶ為に 家と何処かを往復している様にしか見えないかもしれない


あぁ だとしたら滑稽とは思わないな



じゃ例えを変えよう

一度も自分で電車に乗った事がない人は 当然切符の買い方を知らない
知らなければ 券売機の前でオロオロするばかりだ

そしてその光景は 滑稽である


現に バラエティー番組で デビ夫人がその状況でオロオロしているのが放送されたのを観た

多少の演出があるにせよ
滑稽だからこそ カットされずに放送したのだろう



滑稽でも 人は生きていく

必ず来る 死に向かって

生きる事は 滑稽だ




映画の中で 画商が画家に言う
「もっと狂わなきゃ」



狂ってしまえば 滑稽だと笑われている事に 気づかずに居られる


否 自分が狂っていると認識出来ている内は
まだ 狂って無い


作品中の男は

娘が出て行き
妻にも見放され

ついにホントに狂う



生きる為に 彼は狂う


狂ってしまえば後は楽だ



彼はいよいよ 死に向かって生きようとするのだ



北野監督が描いた絵が 劇中で画家の絵として多数登場する

僕の記憶違いでなければ

狂った後の絵は 一枚も出て来ない


北野監督自身 イメージは出来ても 描けなかったのではないかと 僕は思う





そして ラストシーン

僕は不要だと感じた

会えない夜は電話しよう


お誕生日おめでとう




今日はMikの誕生日

何回目かは内緒
女性の誕生日だしね



元気なら 良い




確認する方法は無い





仕方ない

元気だと 思い込み
自分に言い聞かせる



じゃぁ
いずれ また



彼女は黙って 微笑んでいる
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