話題:最近観た映画
08年アメリカ
監督:アンドリュー・アダムソン
ペペンシー兄妹がナルニアを治めた時代から1300年後、ナルニアはテルマール人によって侵略され、存在しない。
そんな中、王位継承争いで叔父に命を狙われたテルマールのカスピアン王子は「伝説の四人の王」を呼ぶという角笛を渡され、森へ逃げ込む。
そして追っ手に見つかったその時、角笛は吹かれたのだった。
前作(第一章ライオンと魔女)を観ていないと、はっきり言って訳わからんことになってます。世界観の説明(ナルニアとは何ぞやみたいなの)がまるで無いので、アスラン?ケア・パラベル?なにそれおいしいの状態。
これがナルニア初体験です!というチャレンジャーがいるのかわかりませんが、ファンタジー平気ならまだいける。ファンタジーあんまり見ないんだよね、という方にはちょっと難しいかも。
が、これは前作見てない人に限ったことで、そうでなければ本当に凄い映画。
これがまたやな奴で、粗探ししたんですが、なかったよ。すんませんでした。
前作より戦争の匂いが強く感じられます。魔法やらフェニックスやらが出てドーンと一発ではなく、人VS人の血生臭い戦争ですね。ナルニアの住人も参戦しとりますが、戦う相手が人である以上、カスピアン王子の背景込みで、余計に生々しさが漂います。
いやま、やっぱりファンタジーな部分は出てきますけどね。しかもその出方がまたかっこよすぎて泣ける。
木かっこいい。水のじいさん好きだ。
戦闘シーンは圧巻。CGだったとしても凄いし、実写だったなら拍手喝采をあげたい。昨今の戦争映画より、ずっと気合いが入ってる。馬の量も動きも凄い。
これは別れと始まりの話だな、というのが自分の印象です。
ナルニアの王であった自分を忘れられないピーター、イギリスでの暮らしに慣れようとしたスーザン、国を追われたカスピアン王子、そしてかつての姿を失ったナルニア。一番象徴的に別れを体現しているのはこの4つだと思いますが、ルーシーにももちろんあります。
エドは前作で既に経験しているからか、特にそういう描写はありません。その分、彼がいることで話が落ち着く部分が多々あります。
角が取れて丸くなったようですよ。
彼らがどういう別れを経験し、そしてどういう風に生きていくのか、ナルニアの歴史の大きな転換点として丁寧に描かれてます。
そういう意味では、ペペンシー兄妹が駅からナルニアに行ったのも象徴的な演出かなと。駅は始まりの地でもあるし、終わりの地でもあると思います。
総じて大満足の映画。虐げられた側の不屈の精神と反撃がかっこよくて感動する。感動しすぎてうまく言葉に表せない。見ごたえありの映画です。
音楽よし、映像よし。二作目への期待に想像以上の出来で応えてくれました。
ナルニアの歴史を見ることが出来る、最高の二時間半でした。観て良かった。
おすすめです。第三章も楽しみにしてます。
しっかしスタッフロールが長い長い。歌がほとんどフルで三曲流れた。
アスランの声はリーアム・ニーソンだそうで。おいおいすげえなスターウォーズのクワイ・ガン=ジンがライオンだ。