「うんうん、これはこれで」
「ちょっと待て、俺は全然納得してねーぞ」
「慧梨夏サン俺似合うっしょ」
「尚ちゃんはこうなるって分かり切ってるからね。当然って言うかノルマだよね」

 ぽすん、とかぶせられた烏帽子(えぼし)っぽい物に、手渡された笏(しゃく)。そしてウキウキとしている尚サンの方は冠と檜扇(ひおうぎ)。
 おいおい、節分もまだだってのにもうひな祭りかよ。と言うか俺がお内裏様なのは百歩譲って納得するとして、どうして尚サンがお雛様役なのか、と。