「ぎゃ、ぎゃああああ!」

 サークル棟に響く悲鳴。うちはそれをサークル室でりっちゃん先輩と一緒に聞いた。こんな時期だし他にこんな建物に来る人は多分いない。閑散とした廊下と階段に響き渡ったそれにりっちゃん先輩が動じる気配もなく。

「りっちゃん先輩、事件のニオイですよッ!」
「や、声の感じから言って野坂っしょ。ほっときャいースよ例によって遅刻してきやがって」
「ちょっと見てきますッ!」