「美奈、すまなかった」
「……何が…?」

 呼び出されるままゼミ室に足を踏み入れたら、リンが唐突に謝ってくる。私にはあまり、彼からそうされる覚えはない。少し心当たりを辿ったけれど、やっぱり直近に思い当たるトピックはない。

「先週土曜の件だ。もう少し早く連絡していればよかったな」
「それは、仕方ない……リンこそ、体はもう、大丈夫…?」
「ああ。もう万全だ」
「よかった……」