「今日はハマちゃんの誕生日やよ、おめでとー」
「あざーす!」
「月曜日なんにみんな集まるとか春休み生まれありえんわ」
「ちょっヒロお前クラッカーこっち向けんな!」
物騒なクラッカーが弾け、祝いか妬みかわからないヒロ主催の誕生会が始まる。今日の主賓は青敬の浜田真司。インターフェイスの活動に出てきたのは今年の印象だけど、気付いたら馴染んでた。
真司と言えば見た目チャラい、雰囲気軽い、マジパねえの三拍子。イメージの話な。でも夏合宿7班で実質的副班長としてよくやってくれてたから、対策委員での評価は爆上げしたよね。真司マジパねえ。
「春休み生まれありえんとか言うけどな、高校までは余裕で3学期だったっつーの」
「ホンマやね、よく考えたらそうや」
「誕生会やるなら長い休みって逆に不便なこともあるだろ。人によっちゃ実家に帰ってたりするし」
「そーゆー人もおるにはおるね」
真司をインターフェイスに馴染ませたのは人見知りをしない本人の性格もあるだろうけど、良くも悪くもヒロの効果が大きかったのだろうとはみんな思っているところだ。
ヒロのコミュニケーション能力と上手く重なったとか、真司が実質的副班長になっていた夏合宿7班の班長がヒロだったとか、そんな偶然が重なって。ちなみに本来副班長だった直クンは実質的班長として。直クンマジイケメン。
「てか他にも誰か春休み生まれの奴いねーの」
「野坂がそうじゃなかった?」
「マジで! 野坂お前誕生日いつよ」
「3月5日」
「おー、春休みパねえ」
「意味が分からない」
「ノサカなんかどーでもえーんやよ」
「ほー、そういうことを言うか。ヒロ、進級が決まったのはめでたいけど、3年からの講義は自力で頑張ってくれたまえ」
「あっゴメンて」
いつものヤツのパワーアップ(進級決定おめでとうそしてさようなら)バージョンで脅しをかけてやれば、すーぐへこへこと見た目だけは取り繕うものだから扱いやすい。
強いて春休み生まれの残念なところを俺の観点で挙げるとするなら、やっぱり実家に戻られている方がいらっしゃったりするとか、普通に講義期間の方が会いたい方と会えるじゃないかと思えたりだな。
「ハマちゃんプレゼント欲しい?」
「欲しい! そんなモンまで用意してもらえるとかヤベえなマジパねえ!」
「欲しいモンゆうたらノサカが買ってくれるよ」
「えっマジで、じゃあ俺エアガンがいいな」
「ヒ〜ロ〜…!」
「ノサカそんなマジで怒ることないやん」
「わかってるって、ノリだろノリ。それに、俺よか誕生日遅い奴から集ると基準がそこになるから返すのが大変だ」
「真司お前常識人だな」
「向島と比べりゃ誰でも常識人じゃね?」
何気に俺やこーたも流れ弾に撃たれた気がするけど、け、圭斗先輩がよく「向島インターフェイス放送委員会にマトモな奴なんかいない」って仰ってたから…! 言うほど真司も常識人じゃないから…!
「ちなみに野坂、お前だったら何が欲しい?」
「あー、どうしようかな」
プライスレス系だったら言うまでもないんだけど、物系となると発想が貧困になりがちだ。そう考えると同じ質問をされてエアガンが欲しいとはっきり言えてしまう真司はマジパねえ。
「真司はエアガン以外なら」
「クツかなー」
「お前結構物欲強いのな」
「自慢じゃないけどヒロさんにも物欲オーラパねえって言われるぜ!」
「ボクそんなことゆーとらんよ!」
「だからお前はヒロだっつーの」
end.
++++
青敬のハマちゃん、どうやらこの日が誕生日だったらしい。さすが2年生、誕生会が開かれたようですね。今回は仲良しのヒロが主催。
タイトルに特に意味なし。ハマちゃんの話だからというだけのヤツ。ノサカなんかも同学年相手だったらこういうことを結構言いそうなモンだけどどうだろうか。
ナンダカンダ言っても向島勢のコミュ力は結構なものである。向島2年生比ではダメダメな方のノサカにしても、実際結構頑張ってんだぜ!