バイトが終わって携帯を見ると、懐かしい人からメールが来ていた。指定されたいつもの飲み屋に向かうと、その人は部活を引退してから何ら変わらない姿でアタシを迎えた。

「よう、戸田」
「急に何ですか、朝霞サン」
「何となくな。最近どうだ」
「どうって、何ら変わりなく」
「いや、俺が今聞いてるのはプライベートな話じゃない。部活は、どうだ」

 聞くだけ聞いて、朝霞サンは次の注文をしてしまう。正直に言えば、答えにくいところではある。そうやって、考える時間をくれてるんだろうなとは思う。