星ヶ丘大学の放送部に入って少し経った。雰囲気はまだまだよくわからないけど、今のところは人がいっぱいいて賑やかだし活気があるという印象。
 先輩の話によると、1年生は夏のイベントが終わるくらいまでは見習いとしていろんな仕事をするらしい。いくつかある班にも、声がかかったり、引き抜かれたり、頼み込んだりと加入の方法はいろいろ。

「ゲンゴロー、やるぞー」
「はーい」

 今お世話になっているのは、3年生のシゲトラ先輩こと鳴尾浜茂虎先輩と2年生のマロ先輩こと白河大信先輩。この2人は同じ班で、ディレクターではなく純粋なミキサーらしい。

「トラさん、部室使用許可は」
「いや? 取ったから問題ない」
「じゃ、改めて行こっか」
「はーい」