「カオルちゃーんッ!」
「げっ」

 俺の顔を見るなり駆け寄ってきたのは、放送部4年の岡島水鈴さん。同じ班だったというワケではないけど、まあ、何て言うか、この人は真のアウトサイダーとかフリーバードとしか表現しようがない。
 ステージMCとしての実力はピカイチだし、背の高いショートカットの美人で見栄えもする。何より、幹部だ流刑地だとそんなことは関係なく班の垣根も飛び越えたコミュ力。俺たち流刑地も水鈴さんにはお世話になった、んだけど。