「よーし、できたー!」

 うんと大きな伸びをして、書き上げた原稿をトントンと机で揃える。これでやっと次の段階へ行ける、そう思うだけで気分は晴れやか。
 私が今書いていたのは所属してる映画研究会で作る自主製作映画の脚本。本来脚本なんて書く人の自由な気がするけど、もっと上の人から「抑揚がなさすぎる」ってダメ出しされましたよねー。
 こんな調子じゃいつまで経ってもドキュメンタリー的な映像なんて撮れないよなー。ドラマも嫌いじゃないけど、ドキュメントをやりたいんだよねー。

「これであと提出してオッケーもらえたら次に行けるぞー! やったー!」
「……伏見、ちょっと黙れ」
「すみません」