「エイジ、俺決めたよ」
「おう、何だっていう」
「もうすぐテストだし、断酒しようと思う」

 サークル室で、エイジと他愛ない会話のつもりでそう宣言した瞬間のこと。空間に激震が走る。何かおかしなことを言っただろうか。あ、未成年が断酒っていうのは確かにおかしいけど、それ以外に。

「高木、正気か」
「6月も中旬から下旬にかけてはなかなか授業にも出れなかったからね。堕落し始めるってこういうことなんだなあと思って」
「うん、まあ確かにお前の生活は日に日に残念になってる気はするけどだな」
「だから、規則正しい生活をするために断酒をしようと思って」
「規則正しい生活はいいべ? 問題は、お前に断酒なんか出来んのかっていう」