「どんなモンだ、リン」
「ふむ、大分合ってきたか?」
「うんうん、もうちょいちょいかな?」

 ひょんなことから大学祭の中夜祭ライブに出ることになった。ブルースプリングという気紛れジャズバンドは、誰かがやりたいと思えば昼夜を問わずセッションをする日々だ。
 元々2ヶ月あるかないかの準備期間だ。その中で曲を書いたり、セットリストにある曲を練習したり。なるようになるだろと春山さんは言うが、アンタは元々ジャズ畑の人間だからだろ、と言いたくなることもあった。