「はーい」

 鳴り響くインターホンに、トタトタと玄関に向かう。部屋に戻ってきた高木の手には、段ボールが2箱。よいしょと下ろされたそれは、ちょっとした重量感。
 うちひとつは実家からこっちに送り返した服や何か。移動の時に邪魔になるからいちいち持ち運ばず、郵送しているらしい。もうひとつは高木本人にも見覚えがない箱。おそらくお袋さんが積めてくれた物。

「何だろう」
「とか言いながら服の箱放置すんな。すぐ片付けろっていう」