「川北、ブラックリストだ。C-12のレベルをBに上げろ」
「はーい。あ、この人またやらかしたんですねー、了解ですー」
「土田、自習室を一旦変わってくれ」
「へーい」

 ドカッと腰かけて、大きな溜め息を吐く林原さん、何時間かぶりに休憩に入るらしい。繁忙期は情報センターにも利用者が増えて、その分自習室の対応がひゃーってなる。
 当然、普段センターを利用しない人や切羽詰まった人も多いワケで、そうなるとスタッフに無理難題を言って来たり一歩間違えば脅されたり詰め寄られたり。
 そういう人たちを林原さんが情け容赦なくバッサリと対応してくれるから俺たちはいつもよりちょっと頑張るくらいでいいんだけど、B番の主・林原さんへの負担はかなり大きくなっている。
 一応情報センターの就業規則で1日6時間までしか給料が発生しない仕組みになってるんだけど、林原さんと春山さんに関しては働けば働くほど時給が減ってる感じ。上限の6000円で止まってるから。