「あっ、石川先輩こんにちはー!」
「やあミドリ」

 例によって情報センターにやってきたのは暇潰し。ただ、学内は春休みで情報センターも閑散期。受付で退屈そうにしていたサークルの後輩も、俺が来た途端ピンと背筋が伸びた。
 どうせ誰もいないんで事務所にどうぞーと招かれたその部屋は、異様な雰囲気がある。追いコンの話し合いの時にミドリが配っていた例のプレッツェルで要塞が築かれているのだ。
 一緒にやってきた美奈も、初めて入る事務所に興味津々といった様子。ミドリが手際よくお茶の準備をしてくれるけど、いくら閑散期とは言え自由すぎないか。