「うーす」
「あ、高崎クンおはよ」
「今日は来てんのか」
「まあ、たまにはね」

 ごくごく普通に授業を受けに行くと、見慣れない女がいた。授業をサボるのが当たり前になっている宮ちゃんが、俺より早く教室にいるという事実にビビる。奴は誰と授業を受けるでもない。その隣に陣取る。
 授業が始まるまでにはまだもう少し余裕がある。わらわらと、少しずつ増えてくる学生が思い思いの行動を取る。スマホを触ってみたり、読書をしてみたり。友達同士の場合は俺と宮ちゃんのように話していたりもする。