「ノサカ、夏至やよ」
「そうだな」
「ボクの誕生日でもあるよ」
「それがどうした。お前の誕生日は今度の日曜日につばめの誕生日と一緒に祝う会を開くじゃないか」
「ボク誕生日なんやけど」

 周りからは、カタカタとキーボードを叩く音が聞こえる。そう、何を隠そう今現在はまさに授業中。講義自体はもう終わって、今は課題をやる時間。これを片付ければ教室から出てもいいというシステムのヤツだ。
 学部固有の授業だけあって、ヒロも同じ講義を受けている。ただ、さっきからちょいちょい話しかけてくるのが何ともなあ。教室に響くキーボードを叩く音だけど、隣からは聞こえてこないんだよなあ。