「あーさーかークーン、朝霞クン朝霞クンあーさーかークーン」
「戸田、コイツをつまみ出せ!」

 「夏の枠は実力で決める」という宇部の言葉を信じ、俺は夏の丸の池ステージに向けた台本執筆の作業に入っている。これは丸の池公園にある屋外ステージを2日間に渡って借り切って行われる物で、放送部の一大イベントだ。
 班には待望の1年生、ミキサーの源が加入してくれた。そんなこともあって俺のテンションは最高潮。班に各パート1人ずついるという事実は素晴らしく、台本を書くのが楽しすぎてしょうがないというのに山口と言ったら。