「戸田、お前ポーチの中身落としてないよな」

 そう朝霞サンから言われて中をごそごそ漁ると、ポーチの中から地面が見える。中身は辛うじて何も無くなってなかったけど、こんなデカい穴が空いてたのに気付かなかったのは不覚だし、朝霞サンに指摘されるとか、結構マズいヤツ。

「それだけデカい穴だし、新しいポーチがあった方がいいだろ」
「まさか朝霞サン、この穴を知っててアタシにポーチ買ってくれてるとか!?」
「いや。お前の誕生日なのは知ってるけどそれはない」
「なら何でポーチの話振るの」
「戸田、アレを連れてスポーツ用品店にでも行って来い」