「よし、あと100メートル」

 炎天下の中、前の方に見えるのは白衣を着た集団。何か実験をしているようだ。実験と言っても化学実験ではなく、何やら肉体に装置を付けた被験者が歩いているように見える。
 恐らくデータを採取しているのであろう機材群は申し訳程度に保護されているが、その他がじりじりと太陽に焼かれている。これもまた実験の条件なのだろうか。
 見てるだけで倒れそうだよと、水鈴は冷たい物でも買いに行こうよと誘ってくる。元々用事があったのは図書館で、十分涼しい場所ではある。ただ、先に冷たい物を飲むのも悪くない。