盆だからと言って実家に帰るつもりはない。しかし、墓参りには行っておきたい。俺が高2の時だから、もう4年前になるのか。墓に入っている奴にほとんど面識はないが、祖母ちゃんには顔を見せたい。墓参りに意味が出来たのは、それからだ。
 祖母ちゃんは俺のたった一人の味方だった。そんなような気がしていた。俺が捻くれていたからだろうが、何においても他人から双子のダメな方と言われ続けた日々は、俺から素直さを奪うには十分すぎた。
 酒に煙草、セックス。それから、殴り合いの喧嘩。中学の時はそんなような日々。優等生の兄とは違うのだと主張したかったのかもしれない。ただ、セックスに関しては女に対する悠希の対応が飛び火したと言うべきで、俺は被害者だと思っている。