少し遠巻きに見える外では、カラフルなビニール傘が通りを横切って行った。あれはもしかしなくても菜月先輩だ。赤と青、それと透明の3色構成だけに、メガネをかけなくてもわかるのがありがたい(ヘッドホンも然りで菜月先輩はわかりやすい)。
 掲示板の用事は終わった。改めて外をちゃんと見ればアスファルトには激しく雨が打ち付けている。だけど俺は靴が濡れるのも気にせずウキウキでその傘を追う。

「菜月先ぱ」