「珍しいな、高崎がご飯行くのに俺に声かけるなんて」
「俺だって自宅生に声かけんのは躊躇すっけど、他に捕まりそうな奴がいなくてよ」
「正直だな。いいけど」

 高崎が携帯片手に喫煙所にいたから、いつものように隣に座った。何かを考えるような素振りだった高崎は、俺の顔を見るなり「飯食いに行かねえか」と。断る理由はなかったから、了承した。
 俺が思う限りでは、高崎はご飯を誰かと食べたい方だと思う。サークルが終わった後は「飯行く奴」と挙手を取るのもお決まりの光景。俺はそれに手を上げることはほとんどないけど、カズやタカティなんかの一人暮らし勢がよく一緒に行っていると思う。