「山口、始めるぞ。洗い物は後でいいから早く来い」
「俺、三井クンには興味ないからやっててもらってい〜よ〜」
「この際ミッツはどうでもいいから、見るだけ見てモニターしてやってくれ」
「は〜い」

 画面に食い入る菜月さんをよそに、その答えを知っている僕は余裕のポーズで構えていた。流しから、洗い物の音がする。キュッと蛇口の捻る音がすれば、水も止まって問題が再び動き出す。