「うーい、帰ったぞー」
「センターへは随分と遅いお帰りですね」
「かーっ、相変わらず嫌みったらしい男だなーお前はー。土産はなしでいいな」
「挨拶のようなものじゃないですか。それとこれとは別件です」
「ったく」

 春山さんが向島に帰ってきた。春山さんの帰省は情報センターの誰よりも長い期間を見なければならない。海を越えるからっていうのがまずひとつ。俺みたく、車でぶーんって行けるような距離じゃないから。
 大きな荷物を抱えてきた春山さんは、新年早々林原さんと挨拶代わりの口喧嘩。どうやら俺の知らないところで年末に何かあったらしい。話によれば、学祭の時にやってたバンドの関係でナントカ。アオも何か言ってた気がする。