「裕貴、いつものヤツ」
「お、悪いな雄平」

 いつものように土産物を裕貴に渡して、そこから少し立ち話を。食堂に行ってゆっくり座って話をしてもよかったけど、どっちにしても寒いし動くのが面倒だから立ち話で良い。
 立ったまま使える円形のカウンターテーブルの上に、裕貴は早速手にした土産物の包装紙を開く。箱の中身を取り出して、俺にもひとつ手渡した。個包装を開けば、カステラ生地の甘い香りが漂う。