ゼミ室に置いているカップ麺の備蓄がなくなった。しばらくジャガイモを加工した料理ばかりを食べていたからその存在を忘れかけていたが、たまには麺類を、と思って箱を覗いて底が見えていることに気付く。
 ちょうどヒマだったオレと美奈、そして石川の3人で買い出しに出る。カップ麺の買い出しで足をのばすのは、近くにあるスーパーセンターだ。食料だけでなくホームセンターで買うような物も揃えることが出来るために便利なのだ。

「おお、すごいことになっているな」
「お買い得……」

 駐車場の一角に、テントが立てられていた。その下に積み上げられているのは段ボール箱。何らかの催し物らしい。少し覗いてみると、赤いきつねと緑のたぬきのケースが山積みになっている。他には、お茶やスポーツドリンク、ティッシュに玉ねぎ。