インターフェイスの夏合宿も終わって一段落。そう息をついた瞬間かかる声が「1年のみんなで遊ぼう」なのだから、行動力がスゴいなと素直に感心する。
今回の幹事はハナちゃんと向島の奈々。この2人は合宿でも同じ班で、すぐに意気投合したらしい。確かにこの2人、ノリが近いと言うか何と言うか。元気だなあと思う。
IF1年の一団は今現在カラオケボックスにいる。集まったメンバーは総勢12人。ハナちゃん曰く飲み会が出来れば最高だったけど飲み会は2年になってからね、とのこと。ハナちゃんの言葉を借りて言えば、しょぼーん。
「次誰ー!?」
「はい! 俺っす!」
隣ではエイジが好きなバンドの曲を入れている。これだけ人数が集まれば知らない曲が飛び交うのなんて当たり前で、これが放送サークルの集まりだと実感するのは、その知らない曲に対してもノリがいいところだ。
ジャンルも何もお構いなし。ユキちゃんはコブシをきかせた演歌を歌っているし、噂のサドニナは、ゲンゴローとアニソンやボーカロイドの曲で盛り上がっている。そしてエイジと奈々がロック寄りの選曲。
アオはあまり積極的には歌っていない様子だけどタンバリンをシャンシャンと叩いているし、その横では同じ星大のミドリがマラカスをシャカシャカと振っている。星大リズム隊も楽しそうだ。
「それじゃあ次からアナはイントロ乗せねー!」
「はあ!? ふざけんな! ミキは何もねーのかよっていう!」
「うっさいエージ!」
「1番サドニナ、踊ります!」
「あ、もしもしフライドポテトL盛り1つ」
「あ、アオたこ焼きも注文しといてー」
「あと激辛ロシアンたこ焼き1つ、当たり増しで」
「ちょっ、普通のたこ焼きだってば!」
四方からいろんな声が飛び交って、何がなんだかわからないこの空間はとても混沌としている。自分の立ち位置がどこなのかもわかってないんだけど、それはそれで楽しいと言うか。
マイクを握らなくても、みんなのことを眺めているだけでも退屈しない。インターフェイスの同期はみんな愉快だと思う。まだまだ数えるくらいしか会ったことがないのにもうこんなに打ち解けている。
「タカティは歌わないの?」
「俺はいいよ。ミドリからマラカス1本借りようかな」
「えー!? タカティ「大迷惑」歌うって聞いたー! 聴きたーい!」
「え、奈々どこから聞いたのそれ」
「アオ、IFの集まりでタカティが本気出すのは2年生になってからだから」
「ええっ!? ハナちゃん勝手に決めないでよ」
「でも、カラオケよりは飲み会の方が得意じゃん」
「なるほど。でもそれってタカティに限らず緑ヶ丘全員だよね」
「えー!? 全員酒豪扱いー!? しょぼーん」
延々と続くサドニナオンステージではゲンゴローがヲタ芸を打ち、エイジはその間デンモクで次の曲を探している。アオはロシアンたこ焼きが来るのを今か今かと待っているし、奈々はそれに備えて氷水を準備しに行った。本当に、混沌。
ただ、ハナちゃんが言うように俺がIFの集まりで本気を出すのが2年からだとすれば、今この1年の集まりにおいてはゆるゆるとこの混沌の図を眺めていてもいいということには……ならないかな。いや、きっとみんなが許してくれなさそうだな。
「高木、割り込みで大迷惑入れといたべ」
「ちょっとエイジ何すんの」
end.
++++
タカちゃんのレパートリーwww ちなみに奈々はそれを合宿でタカちゃんとペアを組んでた菜月さんから聞いた様子。
あと、しれーっと激辛ロシアンたこ焼き(当たり増し)を注文する蒼希はナンダカンダ遊び&勝負好き。きっと先輩の影響だね!
結論はあれね、1年生かわいい。