「はー、さすがに少し緊張した」
「あたしも緊張しました」
「でも、追い返されたりしなくてよかった」
「宏樹さん、うたちゃんがごめんなさい」
「いいよ、大好きなお姉ちゃんがどこの馬の骨ともしれない男に取られちゃったんだし、警戒されたり威嚇されたり、品定めされるのはしょうがないでしょ」

 今日は、あたしの家に宏樹さんが挨拶に来た。宏樹さんと付き合うことになると、こういう機会を設けようという話になって。公認になれるかはともかく、顔を見せておいた方が親御さんも安心しないかなという宏樹さんの心遣いだった。