カランコロンと扉に吊り下がるベルがなり、夜遅くの来客を告げる。ホットのカフェモカM、と手慣れた様子で注文を済ませたその客は禁煙コーナーへと入っていった。
 夜遅く、それも日付が変わる変わらないかほどの時間ともなると人が来たとしても疎ら。しかも今日は大雨に暴風という荒れ模様。こんな時に外に出ようとする方がどうかしている。
 びゅうびゅうとすきま風が入り込み、窓には雨が打ち付ける。店内BGMなんて全然聞こえない。外に置いてた木の鉢も今日は事務所に入れてある。店長は、鉢動かしたから今日はもう動けない、とか何とか言っていつものようにネサフを始めた。