「日曜日に勝つのは最高なんですッ! 試合のない月曜日もウキウキしていられるんっす!」
「やァー、その気持ちはわかりヤす。でも奈々、昨日の対戦チームはどこだったンすかねェー」
「悪いことは言わないからサークル室が闇に包まれる前にその話は終わった方がいい」
「はっ…!」

 政治・宗教・野球の話はNGだとよく言うけれど、それはサークル社会でも同じなのだと僕は思う。
 MMPというサークルでは、野球の話になることも多々ある。今日は見るからにウキウキしている奈々に、渋い表情の野坂とりっちゃん。ここまではまだいい。問題は、今にも世界を混沌の渦に飲み込まんとする菜月さんだ。
 彼、彼女たちにはプロ野球のリーグに特定の贔屓球団があるらしい。僕はスポーツにそこまで興味がないからあまりよく知らないのだけど、その勝敗や試合内容などに一喜一憂しては酒が美味いとか何とかと、楽しんでいるようだ。