俺は裕貴とかんなのデートを尾行しつつ、あやめの作品制作に付き合っているんじゃなかったのか。それがどうだ。裕貴とかんなを見失うわ、あやめは勝手に自由行動を始めるわ。挙げ句、隣を歩くのは水鈴。何だこれ。
 あやめから、裕貴とかんなが七夕祭りでデートをするから尾行したいと申し出があった。夜だし一人だと怖いから付いてきてくれと。裕貴のデートには興味があったし、あやめが一人で歩くのも危ない。それは断る理由もなく。
 だけど、あれよあれよと話が大きくなって、水鈴が付いてくると言い出した。水鈴も純粋に裕貴とかんなのデートに興味があるらしい。それはいい。問題は、あやめがカメラを構えて「私は素材を撮ってきます」と消えたのだ。