「みーぎっ、ひだりー、みーぎっ、ひだりー、どんどどんどどん、う〜、やっ!」

 三浦が訳の分からないステップを踏んでいる。三浦だから誰も暑さで頭がどうかしたかみたいなことを聞いたりはしないけど、それでも事情を知らずに見ている分には十分おかしい。

「さっちゃん、この暑いのに元気だねえ。それ、何の踊り?」
「向舞祭の緑大チームに入ったんですよ!」
「えっ、踊る方で出るの!?」
「踊らない方があるんですか?」
「あっ普通はそっか。カズがスタッフ側で召集されるとかでひーこら言ってるから」
「えー! 慧梨夏サンのかれぴっぴさんも向舞祭出るんですか!」
「スタッフねスタッフ。踊らないから」