「おい裕貴、たまには俺らと飯に行くぞ」
「うんうん。今日は逃がさないからねッ!」

 そう言って、半ば強制的に雄平と水鈴に連れて来られた店の個室。わざわざ個室のある店を調べていたというのも驚きだが、個室でないと話せないような事情があるのだろうかとも思う。
 そもそも、雄平と水鈴が結託するということ自体が珍しいような気がする。雄平に水鈴が強引に付いてくるとか、水鈴に雄平が強引に巻き込まれるとか。そんなようなことならよく見るが。