「それじゃあ、各大学の活動報告をお願いします」
夏が過ぎて、定例会の雰囲気もまったりとしてきた。この後はそれと言ったイベントもないし、対策委員がバタバタしているということもない。あとは代替わりに向けて動くだけ。
定例会でやるのも大体各大学の活動報告や作品出展のあれこれ。その活動報告にしても、この時期は大体「大学祭に向けて」ウンタラってのばっかり。
「それじゃあ星ヶ丘」
「ウチは丸の池ステージを終えて、大学祭に向けたステージの準備をしてます」
「まあ大体そんなモンだよね。それじゃあ次は青女」
「はーい。ABCも大学祭に向けたステージと、執事&メイド喫茶の準備をしてまーす。男子禁制の青女に堂々と入れるのは学祭だけなんで、学祭の日付カブってなかったら男子も女子もみんな遊びに来てくださーい」
ビッキーからの活動報告に、そう言えばインターフェイスの大学で青女だけは大学祭の日程が1週間早いことを思い出す。そして女子大の学祭、という魅惑の響きに会議室がざわつくんだ。
「ヒビキ、うちの下僕たちがまた世話になると思うけどお手柔らかに頼むよ」
「そー言えば向島の子たちがどうとかってKちゃんが言ってた気がする! 直クン直クン、どーゆー話になってたっけ」
「啓子が言うには、当日の大道具運搬なんかをヒロたちが手伝ってくれることになってるみたいです。スミマセン圭斗先輩、いつもいつも」
「ん、直クンが謝ることじゃないよ。連中は好きでやってるんだ」
向島2年(りっちゃんを除く)は例によって青女の子たちの尻に敷かれてるんだなあ、と定例会メンバーは苦笑い。カオルは「ステージやるには男手があった方がいいもんなあ」と理解を示していたけど。
直クンが向島2年にいつもイベントを手伝ってもらっていることを申し訳なさそうにしているけどビッキーは悪いと思ってなさそうだし、圭斗も許可を出してるんだからナンダカンダ回ってるんだと思う。
「ところでヒビキ、執事&メイド喫茶というのも気になるね」
「例によってサドニナの大暴走ですよ。でも、ウチのイケメン執事がお出迎えするよ! ねえ直クン!」
「1年生と3年生がメイドさんで、2年生が執事役をすることになりました」
直クンが執事役やるとかそんなの反則じゃないか。中性的で綺麗な顔つき、さらに背だって高いから男装の麗人という表現がピッタリだし、それこそ元々が執事張りにデキた子だ。
1年生と3年生のメイドさんが女子大と言うか青女らしくきゃぴっとしているのを、2年生執事がキリッと締めてくれそうな気がする。何と言うか、簡単に想像出来てしまう。
「執事直クンか。予定がなければ遊びに行ってみようかな、うちの下僕たちの様子見がてら」
「あの、その……圭斗先輩勘弁してくださいっ!」
「来るなら圭斗も執事やろうか」
「僕は遠慮しておくよ。直クンには敵わないし、僕よりも執事向きの男が下僕の中にいるはずだから」
「菜月専属執事なら遠慮しとくよ」
「おっと、喫茶部門に向島の出る幕はなかったようだね」
こう見ていると、向島と青女は本当に仲がいいなあと思うのと同時に、青女からのいろいろな矢印が自分たちに向いていなくてよかったなあと思う。ありがとう向島2年生。
「それじゃあ次は緑ヶ丘」
「はーい。ウチも大体みんなと同じでーす」
end.
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菜月さん専属執事というのはもちろん某ヘンクツ理系男のこと。ここのことも定例会では常識だよ!
たぶん今回のテーマは向島と青女がどんな風に仲良しなのか、みたいなことになるのかな。
向島2年(りっちゃんを除く)は青女の下僕、これテストに出まーす