「か、帰りたい……」
「何言ってんだコシ! 俺たちはコシと水鈴さんのデートを邪魔しようだなんて思ってないし、どうぞ存分に楽しんでくれ!」
「デートじゃなくて尾行の付き添いだ」

 例によってあやめのカップル尾行に付き添った結果、あやめはまーた勝手に消えた上に裕貴らは見失い、俺の傍らには水鈴。そしてその現場で何故かいるインドア集団向島の極悪3人衆に捕まって現在に至る。
 大方の予想では、あやめが圭斗に情報を流したのではないかと思ったんだけど、今回は本当に偶然らしい。そしてその圭斗も、俺と似たような顔をしている。これは紛れもなく「帰りたい」という顔だ。