「うーい、帰ったぞー」
「どちら様ですか」

 背中には大きなリュックを背負い、両手には大量の紙袋。紙袋を持ちながらもその手は体の前で段ボール箱を抱えていて、声はすれども姿は見えず状態。いや、誰かはわかっているのだが、姿形が見えんという話でだな。

「いいから手伝え」
「爆買いの産物でしたら手伝います。芋なら押し潰されろ」
「産物だ」
「長い旅路をお疲れさまでした」