ゼミの課題を出しに来た流れで、みんなそのまま帰らずに履修を考え始めていた。もうすぐ秋学期が始まる。俺は教職課程の都合もあるからみんなほど全休は取れないけど、全く自分の時間が取れないという程ではない。

「浅浦、助けてくれー。この通り」
「何をどう助けろと」

 俺に頭を下げて、助けてくれと頼み込む相川の履修表はまだ白い。単位がヤバいという程でもないけど、秋学期になるとこうして頭を下げる姿がよく目撃されるし、俺がその対象となることも多々。