「あっ、林原さん。林原さん甘い物好きですよね。よかったら試食してもらっていいですかー?」

 今日は非番だと言うのに川北がセンターの事務所に顔を出してきた。その手にはタッパー。中にはぎっしりと何かが詰められていて、俺が食わされるのはそれなのだろう。
 蓋を開ければ、鈴カステラのような菓子。鈴カステラのようではあるが鈴カステラではなく、生地はホットケーキミックス。それをたこ焼き器で丸めた物を川北のサークルでは大学祭で売るらしい。