「ユノ!」
「あ、イク。帰ってたの」
「隣いい?」
「どうぞ」

 とある昼休み、薄暗い第1食堂の中でも特に入り組んだ辺鄙な席に陣取って昼食をとっていると、場所にそぐわない声で名前を呼ばれる。懐かしいその声に振り向けば、今度はどこへ行っていたのやら、旅帰りの様相でイクが立っていた。