「野坂、ちょっといいかな」
「はい、いかが致しましたか圭斗先輩」
「明日の昼放送の収録のことなんだけどね」

 今日は金曜日で、明日は土曜日。つまり、昼放送の収録があるということだ。今年度の収録は明日を含めて残り3回。毎回のように暗黙の待ち合わせ時間である午後2時には遅れてしまっているので今度こそ無遅刻で行きたい。
 さて、昼放送の話だ。ただ、圭斗先輩からその話を持ちかけられるというのに少し驚いたと言うか、どうしたんだろうという疑問が先に出て来る。ペアの相手は菜月先輩だし、昼放送は曜日ごとに完全に独立した活動だから、別の曜日の人が何の用事だろうと。