「おなか空いたねえしょーこちゃん」
「空きましたねえ。いただきましょうかみなもさん」

 出版部の部誌は学内の何ヶ所かで無料配布されていて、それを設置するお仕事を終えてようやく休憩。って言うか鬼のいる部屋に帰りたくないだけとも言う。この仕事を手伝ってくれていたのは文芸サークルの樽中章子ちゃん。あきこだけどあだ名はしょーこちゃん。

「人が増えてきたねえ」
「人が増えようがここは余裕ですよ」

 しょーこちゃんに連れられてきたのは第1学食の奥まったコーナー。薄暗い第1学食の中でもさらに暗くて、狭い。あたしは普段第2学食を使ってるからあまり馴染みがない。だけど、ここを知ってる人が少ないのか、人が増えてもここにたどり着く人は少ないようだった。