今日は果林先輩がうちに遊びに来て、せっかくだからご飯を作りますよという言葉に甘えて迎える夕飯の時間帯。さてこれから買い物に行こうと自転車の鍵を手にした瞬間、鍵を開けてもないのに玄関のドアが勝手に開いた。

「おーい高木ー」
「あっ、エイジ。来たんだ」

 俺以外にこの部屋のドアを合法的に破れるのはエイジだけ。あまりにエイジがうちにいる時間が長いから、いっそ鍵も持っててもらった方がいいんじゃないかっていう結論に達したんだ。というワケで、エイジも割と好きなときにうちに来るようになったよね。

「つか果林先輩そんな玄関先で、これからどっか出かける予定だったんすか?」
「スーパーに行くつもりだったんだよ。ご飯作ろうかなって」
「あ、いいっすね。俺もついてっていいすか。冷蔵庫の中身確認しとかないと」