「北辰のじゃがいも」の箱が少しずつ捌けてきたと思ったら、今度はどこの国の言語かもわからん言葉が印刷された箱が積み上げられていた。こんなことをするのは1人しかおらんが、これは一体何なのかと。

「林原さーん……これってまさかジャガイモじゃないですよねー…?」
「芋ではないと思いたいが、これに触れると押しつけられる未来しか見えんな」

 卒論・レポートラッシュにテスト期間が近付いているということもあり情報センターには少しずつ繁忙期の波が押し寄せていた。スタッフの人員が増えるということは、何かを押しつけるにも打ってつけということだ。あの人のやることだけにどうせロクでもないことに違いない。最大級に用心せねば。
 放課を迎えたセンターには、続々とスタッフが集結していた。川北に烏丸、自称研修生の綾瀬もいる。しかし、現在B番に入っている春山さんが事務所から出てくる気配がない。確かに自習室には複数の利用者がいる。出てくるようなタイミングでもないのだが。