大石がバイトしている倉庫でのバイトが始まって1週間。今日は土曜日ということで授業のない高木君も含めて久々に学生チームが3人集合した。高木君は1年生だし、なっちも地味に授業があるということでなかなか3人集まる機会は少なかったんだ。
 そして5時半になり、今日の仕事が無事に終わった。仕事が終わればいつものように大石の車で豊葦市方面に向かって帰るのだ。車内ではなっちが乗り物酔い対策のためにひたすら喋っていたりするし、こないだの水曜日は4人で飯を食ったりもした。今日もきっとそんな感じだろう。

「おーい朝霞、学生チーム」
「塩見さん。何かありましたか」

 俺は火水木土と来ていたから学生チームの代表のような感じで社員の塩見さんからも名前を覚えられ、昼には大石つてにゆで卵をもらったりもした。どうやら向舞祭のリハの時に食べたあの素晴らしいゆで卵の話を大石がしていたらしい。塩見さんのゆで卵は相変わらず神懸かっていた。