「あ〜、マジムリ〜!」
「喚いてないでさっさとやれよ」
「再来週までに2万字とか拷問でしかないだろ!」
「コツコツやってりゃそんな大袈裟にビビるようなモンじゃねえ」

 木曜4限はゼミの時間だということで、テスト期間に於いてはただの空きコマと化していた。俺は飯野を引き摺って社会学部棟5階にある安部ゼミの研究室に籠もり、レポートの執筆を始めさせることに。飯野のレポートの出来如何によっては俺の成績にも影響してくるからだ。
 俺はレポートこそしっかり書いているが出席の足りないタイプの問題児で、飯野は出席はフルでしているがレポートがゴミクズなタイプの問題児だ。安部ちゃんに交渉した結果、俺が飯野のレポートをそれなりに読める物にすることで飯野の出席ボーナスから0.5〜1回分俺にツケてくれることになっている。