「悠哉君! 悠哉くーん! おーい、悠哉君? ゆ、う、や、くーん」

 買い物から帰ってきたら、俺の部屋の前ではギターを背負った見覚えのある野郎がインターホンを連打していた。と言うか、年末と違って今は周りがみんな帰省しているワケでもないのにあまり騒がしくするなと強く思う。
 俺が特別気配を消すまでもなく、奴が騒がしいおかげで背後まで迫っていることには気付かれていないようだ。ちょうどいいところにある太腿に軽く蹴りを入れてやる。パシッとデニムが乾いた音を立てた。