野暮用で久々にサークル棟に足を運ぶと、鍵の貸し出し帳簿にはノサカと名前があった。先客のいるらしいその部屋に向かうと、中からは音楽が聞こえて来る。どうやらミキサーらしく、それらしい作業をしているようだ。

「やあ、野坂。どうしたんだい」
「圭斗先輩! どうされたんですか!? ちなみに俺はMDストックのAD作業をしていました」
「ん、それはご苦労様。僕は卒コンについての調べものをしに来たんだよ」
「卒コンですか?」
「卒業式の後の飲み会だね。それと、卒業式で渡す贈り物の予算などだね」
「さすが圭斗先輩です…!」
「意味がわからないよ」