「エイジ、ちょっと買い物に付き合ってほしいんだけど」
「買い物? 何を買うんだっていう。食糧か? 掃除用具か?」
「そろそろ机を買おうと思うんだよ」
「それは喜んで付き合うべ! これで床に皿を置いて食う飯にもおさらばだっていう!」

 先月末に、突然口座残高が増えてたから何事かなあと思ってよくよく考えたら、アルバイト代が振り込まれていたんだということに気付く。結構な額が振り込まれていたのでちょっとした買い物をしようと決意したんだ。
 倉庫での吊り札付けのアルバイトは、元々ゼミ合宿の費用を賄うために始めた物だ。でも、働いているうちにゼミ合宿の費用は軽く捻出出来たし、残りのお金はどう使おうかってずっと考えてた。でも、エイジが「無駄遣いはするな」って睨みを利かせてて。
 本当はBGM用のCDを買ったり靴を買ったり、少しいいお酒を買ったりしたかったんだけど、それをしばらく我慢して、使い方を熟考。この部屋に足りないものや、これからの生活に必要な物を考えた結果辿り着いたのが机だった。